中学入試の英語はどの程度の理解力が必要?

文科相が2020年に小学校五年生、六年生から学校の授業で英語が導入することを決定したため、2018年からは移行借地に入ります。また、日本が国としてグローバルな人材を求めている事情を受け、中学受験でも、帰国子女向けではない一般生徒向けの英語試験を実施する学校が増えてきています。

ここで首都圏の中学受験での英語入試導入の推移を見てみましょう。

2014年=15校
2015年=33校
2016年=64校
2017年=95校

2017年度には95校と飛躍的に増え、2018年もさらなる増加が予想されます。しかしながら、中学受験生が、入試対策として慌てて英語に取り組むことに関しては注意が必要です。
後述いたしますが、導入されたといっても応募者数が少ないというのもあります。
また、英語の勉強となると早ければ早いほどいいのだ、と考えがちですが、まだ母国語も扱いきれない、思考力が養われていない小学生が英語に取り組みますと、理解が深まらず、いたずらに時間を浪費してしまい、一年後に取り組んだ方がよほど効率が良かった、ということになりかねないのです。

中学受験対策ナビでは、あくまで中学受験に話を絞っておりますが、参考のため、小学生の英語学習の実情をお伝えしておきましょう。
実は、小学生のころから英語に取り組んだ生徒と、中学生ではじめて英語に触れた生徒の間に、英語力の差がほとんどないのです。
アルファベット、this is a penレベルのことを知っていてアドバンテージになるはずもありません。中学生ならほんの一二か月でその差は埋まってしまいます。

さて、気になる中学受験の英語入試に関しては、中学受験生の教育や合格事情に詳しい方々の見解はほぼ一致しています。つまり、よほど英語に興味を持っていたり得意でない生徒が時間を割いて英語の入試対策をする必要はあまりない、ということです。

志望校によっては対策が必要となる。

英語入試で求められているレベルは学校によってピンキリです。 論理的な思考を英語で行える英作文が出題される学校から、中学生の一年生で習うレベルの例題が出題される学校など、学校方針によってさまざまなので、学校の傾向、過去問題への対策は必須となります。 楽しんで英語を学習する方向性から、英検2級レベルは前提でしかない確実な英語力を求められる傾向もありますので、英語入試を選択する場合は、志望校によって計画を立ててきちんと指導していく必要があります。
また、英語入試が増えたといっても、実のところ、一部の入試への導入にとどまっています。英検2級は取得必須でも、入試では英語がない学校もありますし、 英語1科目だけか、国語、算数、英語の3科目を選択できる、など、多くは英語でも受験ができるという選択肢の一つでしかない場合も多いのです。

■選択の一例

1.国語、算数2科目
2.国語、算数、理科、社会の4科目
3.国語、算数、英語の3科目
3パターンから選択

英語入試は御三家のような上位校ではまだ実施されておらず、中堅以下の女子校と共学校への導入が多くみられます。また、男子校は東京都市大付と聖学院の二校のみ。
実施校の英語入試の募集者数も数名程度ということが多いのが実情です。
教育の専門家は、生徒の学力を総合的、かつ、客観的に見ています。こと有名校は英語さえできればこれからの勉強上有利であるとか、優れている、将来学力が伸びていく、などとは考えていないのです。優秀な人物は十分に成長してからでもネイティブレベルで英語を習得できます。トータルで伸びる力を持っている優れた生徒を合格させたいと考えています。

英語対策に失敗しないために

英語の勉強にかまけていると、小学生の時に養わなければならない母国語の能力、思考がおろそかになってしまい、のちのちお子様自身が苦労することになります。
実はあまり語られておりませんが、帰国子女の多くの方々がこのことで苦しんでおられます。母国語も中途半端、さりとて外国語も中途半端、ということです。

お子様の将来のことだけを考え、ほんとうにグローバルな人材に育てたいのであれば、本来はまず母国語をしっかりと学ぶことが大事です。日本で優れた人物は必ず外国にとっても優れた人物です。
外国で優れているのに日本で優れていない、ということもありません。そして、どの言語をベースに複雑な思考、論理的、感覚的な思考ができるかは、ほとんど小学校時代に培われます。
数学ですら国語力がなければ文章問題を解くことはできません。理科も、社会科もおなじです。つまり、英語が得意な生徒は日本語も得意である、日本語が得意あれば英語もまた容易である、ということです。
とはいえ、中学受験に成功するために英語入試が絶対に必要なのであれば、志望校の出題傾向に詳しく、対策を熟知している塾やプロの家庭教師に相談することをおすすめします。
2020年中学受験の英語入試も大きく変化していく可能性があり、そのことを研究しているエキスパートのアドバイスは必須だからです。

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